宮野の言葉を聞いている佳苗の目は、赤く充血していた。 浮気相手とのこと・・・ 本当は聞きたくない。 でも―――、逃げちゃダメ。 逃げたら何も変わらない・・・ 佳苗は必死に涙を堪えた。 「―――お前と、デートした日があっただろ?」 「・・・」 「あの日は、本当に楽しかった」 佳苗は、あの日の事を思い出して小さく笑った。 「そうね」