「佳苗」


ボーッとテレビを観ていた佳苗は、名前を呼ばれて振り向いた。



「あなた・・」



いつの間にか、仕事を終えた宮野が帰ってきていた。


「陽子は?」



「――上で寝てるわ」



「そうか・・・」



宮野はリビングのドアを閉めた。



「――ちょっと話さないか?」



「・・・」



佳苗は小さく頷いてテレビの電源を切った。