佳苗は驚いた。



目の前に立っているのは、夫の浮気相手。



鋭い目つきで佳苗をジッと見ている。



―――間近で見る女は、悔しいが美人だった。




この女と・・・




佳苗の目に怒りの色が浮かぶ。



「・・・こんにちわ」



ふいに、女が口を開いた。




「礼二さんと別れてください」