―――


ピンポーン。


チャイムが鳴った。


テレビを観ていた理穂は、持っていたグラスを置いて玄関にむかった。


ガチャ。


ドアを開けると、そこには愛しい人の姿。


「礼二さん、いらっしゃい」


理穂は、笑顔で宮野の腕をとった。


「お腹減ったでしょ?今日は礼二さんの好きな角煮を作ったのよ」


「・・ああ」


―――宮野の態度がおかしいのは、すぐに分かった。


しかし、理穂は気付かない振りをした。



理由は聞かない。



聞きたくない・・