「・・・今日会いにきたのは、一言謝りたかったから。礼二さんの事。それから、弟の事も・・」



「・・・」



「この前、陽子さんがうちに来ました。お腹の赤ちゃんを生みたいって。



―――二人は将来の事も真剣に考えてます。



私が言える立場じゃないけれど、―――認めてあげてくれませんか?」



「・・・言われなくても」



佳苗はキッと理穂を見た。



「あなたに言われなくても、ちゃんと考えてるわ。・・・命の大切さもあなたよりは理解してるつもりよ」


そう。



私だって、生ませてあげたい。



でも・・・この人の存在がちらついて、なかなか決断をくだせない