君の隣で

「はぁっ、はぁっ……」

部活が終わってもうすぐ下校時刻。

私は、陽斗くんにお守りを届けるために、廊下を全力疾走していた。

陽斗くんとの待ち合わせ場所は、教室。

早く渡さなきゃ。

私が、心を込めてつくったお守りを。

私はお守りをギュッと握りしめた。

「ふぅっ……」

ようやく教室の前についた。

勇気を出して、ドアを開ける。

「ガララッ」

まだ、陽斗くんは来ていなかった。

そっと自分の席に座り、じっと陽斗くんを待つ。

カチッカチッと時計の音が教室内に響いた。