君の隣で

とは言っても、私はなぜか綾乃の恋を応援することになっている。

いつかは私の気持ちも話そうとは思うけど、今は綾乃のことも考えなきゃ。

でもまずは自分のこと。

「川上くん」

「ん?どうしたの?」

サッとこっちを向いてくれる川上くん。

少し首を傾げてるところがカッコ可愛い。

「あ、えっと、今日も部活なの?」

「うん。もうすぐサッカーの試合があるからさ」

「そっか。大変だね…」

そう、川上くんはサッカー部に入っている。

1年生ながらすごく上手で先輩と一緒に試合をしても勝てたりする。

素早いドリブルに百発百中のように入るシュートで、みんなの視線を釘付けにしているのだ。

私は手芸部なのでいつも何かあげたいなぁって思うんだけど。。

中々時間が合わなくて。

渡すのは部活終わりの方がいいかなぁって思うけど、サッカーは部活時間が長いからなー。。

「もしかして、なんかくれたりするの?」

「えっ、、、」

私は驚いて川上くんを見た。

川上くんはニヤニヤ笑っている。

「へぇー。図星?」

「う、えっとーその………」

「素直じゃないねぇ」

そういって川上くんは私に向かって言った。

「今日は早めに終わるだろうから」

「えっ…!?」

私は目をキラキラ輝かせた。

「ホントに!?絶対!?」

「うん」

「やったー!!!」

私は飛び跳ねながらにっこりと笑った。

「楽しみにしててっ!」