君の隣で

「うふふ、うふふふふ」

「…なににまにましてんの」

桐谷桃音中学一年生。

…って、このくだりさっきもじゃん。

ということは置いといて…。

今、私はまた最高の気分なんです。

だって、だってだって、

試合、うちの学校が勝ったからー!!

嬉しいよ!!!!

それに陽斗くんめっちゃ活躍してたしっ!!!

それに試合中手振ってくれたし、

それにそれにそれにっ、

実は先程連絡が来てね、

あとで会場の出口で待ってて、って!

もしかして何かあるのかなぁ??

あ、これ綾乃には言ってないけどね。

仕方ないから綾乃には先に帰ってもらわなきゃだよね…。

「あ、綾乃、あのさ」

「そういえばさー、この後なんだけどねー」

「え、あ、うん」

同時に話しかけてしまった。

とりあえず綾乃の話を聞こう。

「桃音先帰ってくれない?」

「…え?」

な、なんで?

もしかして、綾乃も誰かと待ち合わせしてるの?

「な、なんで…」

「うふ、せっかくだしね、今日は陽斗くんのことを待って、一緒に帰ろうかなぁーって思ってるんだー!
だから、桃音には先に帰ってもらわなきゃだなーって」