「最近は総司の体調が優れないからな、お前にはあいつの代わりにたくさん働いてもらうぞ!休めるときはちゃんと休んでおきなさい」
「……はい」
勇さんのその言葉は
【もう総司は必要ない】
と言っているようだった。
“俺達はあの人達の駒に過ぎないんだよ”
平助の声が脳裏をよぎる。
花弁を毟るように私の胸もバラバラにされた気分だ。
堪えようと意識するより早くに、私の右頬には涙がつたった。
「おい、泣いてるのか?」
背後から声を掛けられ反射的に振り向くと眉間に皺を寄せた土方が眼に映る。
慌てて涙を拭って廊下を駆け出した。
「雪っ!!」と私を呼ぶ声が聞こえたが、振り返る事なく屯所を出た。


