歳さんの部屋に捨てられるように放り込まれると呆れ顔の勇さんがいた。


「私、何も聞いてないっす。勘弁してください」


「いや、案外これで良かったかもしれねえ」


「は?」


怒られるのだとばかり思っていた為、間抜けな声が漏れる。


「駄目だ。雪は駄目だ」


「近藤さん、決めるのは雪だ」


なんか前もこんなやり取りあったななんて思いながら二人を見ている。


一体今度は私に何をさせようとしているんだ。


押し黙る勇さんを確認すると歳さんは私に視線を向けた。


「雪、お前に任務を頼みたい」


挑発的な笑みを浮かべながら私に言う歳さん。


内容を聞かずとも私の答えは決まっている。


「お受けいたします」



外は俄かに雨が降っていた。