皆が歌い、踊り、笑う姿を見て平凡な毎日も悪くないと思う。


ひらひらと舞い落ちる花弁が猪口に浮かび鬼らしからぬ笑みを浮かべる。


『では土方君、後は頼みましたよ』


『あ?何言って…』


意味深な言葉を放つ山南に視線を向けると既に姿は消えていた。


『土方さん!俺、みんなに出会えてよかったわ!』


平助…?


『副長、お世話になりました』


『悪いな土方さん、俺はもう近藤さんにはついていけない』


『最期までついていけなくて悪い』


『土方さん、雪は寂しがりやだから、僕がいなくなった後はお願いしますね』


『歳、俺はもう疲れたよ』


『俺は会津に残ります』


『歳さん!行かないで!!』



山崎、永倉、原田、総司、近藤さん、斉藤、雪がそれぞれ言葉を発する度に蒸発し、俺は1人になった。