左右の瞳から止めどなく涙が溢れたのは子供の頃以来だった。 病に侵されながら震える手で一体どんな気持ちで綴ったのだろうか。 愛する者を別の男に託す気持ちはどんなものだろうか。 俺は一生あいつには勝てない。 二番だって良い。 二番で良いから、俺がお前の代わりに必ず雪を幸せにしてみせる。 だから総司、安心してくれ。 俺のたった一人の親友にそう誓った。