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あれからどのくらいの時が過ぎたのだろう。


総司がいなくなってからの私は何をするわけでもなく毎日を縁側に座ってぼーっと過ごしていた。


喉が渇きお茶を淹れようとするとつい湯呑みを二つ用意してしまう。


もうあの人はいないのに。


頭ではわかっていても心が受け入れられていない。


布団も食事も全て一つ余分に用意してしまう。


「お雪さん、そろそろお休みになられたらどうです。布団は敷いておきましたよ」


「…そうしたら月が見えないじゃない」


「月…ですか……。でしたら体が冷える前に寝てくださいね」


今夜は新月で月などどこにもない。


時折こうして不思議なことを言うようになった雪を心配して植木屋の奥様が身の回りの世話をするようになった。



「総司…どこにいるの……寒いよ……」