彼の首が落とされてから、一体どのくらい時間が過ぎたのだろう。
夕日が沈もうとしている。
勇さんが生きていた最後の日が、終わろうとしている。
「うぅっ…ぐっ……」
嗚咽が漏れるほど泣いては泣き止みをずっと繰り返している。
早く帰らなきゃいけないのに、体が、足が、心が重くて動けない。
「いさみっ…さん……、うぅ…いやっ……」
土を掴んでは宙に何度も投げた。
通りすがりの町民達が異端者を見るような目で見ている。
それに気づくと目を鋭く細めて睨みつけた。
この世の全てが憎い。
私の仲間を次々と奪って行く世が憎かった。
「返してっっっ!!返してよっっっっっ!!!!私にみんなを返してっっっっっ!!!!」
どんどん闇を増して行く空に向かって今まで出したことがないような金切り声をあげる。


