しかしそんな私を当然許すわけもなく、一君は私の手を掴んで再び動きを拘束した。


「離して。私達は会っちゃいけないはずよ」


「あぁ。確かに新撰組と御陵衛士の接触は禁じられている。だが俺が用がある奴は新撰組じゃない。ただの近藤雪だ」


サラッと何でもない事のように話す一君に呆れて溜息が出そうになるのを堪えると背の高い一君を下から鋭く睨みつける。


「そんな屁理屈が通用するとでも思ってるの?大体、私は裏切り者なんかと一緒にいたくないしお願いだからもう関わらないで!!」


「嘘だな」


「何言って…」


私の心の内を見透かすように見つめられて思わず目を逸らしてしまった。