「うさぎ? さん? せっちゃん、会ったのかい? あの小さなうさぎ? さんに。

あんたも、助けてもらったんだね。」



おばぁちゃんは、ちょっとビックリしたけど、すぐに、よかった、よかった、って言って、私を抱きしめたまま泣くのをやめなかった。



帰り道に、おばぁちゃんが言った。



「あの山はね、うさぎ山(ヤマ)って言ってね、昔から、雪の夜に不思議な事があるって言われてたんだよ。

おばぁちゃんもね、昔、不思議な事に出会ってね。

せっちゃんと同じ、うさぎ? さんに助けてもらったことがあるんだよ。」



うさぎやま?



「おばぁちゃん! あのうさぎ? さん達、やまじゃなくて、うさぎさん! って言ってた! 発表会やるって!

私、助けてもらったのに、ありがとうしか、言ってない・・・。

おばぁちゃん、今度一緒にお礼に行こうね! 」