腰の刀の重み。

わたしはそっと柄に手を置いた。

わたしが生きていくための相棒になるんだ。
須藤蘭丸が本当に歩き始めなきゃいけない。

「当分は戸惑ってばかりでしょうが、ヘマしないように心掛けるので宜しくお願いします!」

再び頭を下げて力強く誓った。自分にも言い聞かせるために。

「あなたの不安と恐怖は…私には計り知れない程のものでしょう。ですが、だからこそ厳しく接します。あなたが生きて帰られるためにも。良いですね」

「はい」

わたしはしっかりと沖田さんの目を見て答えた。

「私は…いつでも一番のあなたの味方です。いつも見守っています。それは忘れないで」

沖田さんはちょっと微笑んで、私の前髪をくしゃっと撫でた。

「はい」

少しだけ力が抜けて、わたしはこの人に命を預けようと…自然とそう思った。道場で剣を交わした時の、あの圧倒的な強さと、そして通じ合えた何かを思い出して。

わたしはまっすぐ伸びる道の先を見据えて。頑張ろうと心に誓った。