土砂降りの中、私はサチと分かれて、家に帰宅した。
今もじぃちゃんとばぁちゃんの家に住んでいる。
「ただいまぁ〜」
「おかえり。…ってあらまぁ、大変。ずぶ濡れじゃない。じぃさん!タオル持って来て〜!」
帰って来たあたしを見るなり、ばぁちゃんが慌てて駆け寄って来た。
「ばぁちゃん大丈夫だよ。今日、そんなに寒くなかったし」
カカが亡くなった後も、じぃちゃんとばぁちゃんは、私を変わらず愛してくれて、大事に育ててくれた。
大好きなギターを始めたきっかけも、この家の屋根裏部屋で見つけた、じぃちゃんのアコースティックギターからだった。
タオルを持って、じぃちゃんが駆け寄って来た。
「ったく、こんなに濡れて。風邪引いたらどぉするんだ。大事な声が出なくなったらどうする。」
ぶつぶつ言いながら、じぃちゃんがタオルで私の頭をワシャワシャと乱暴に拭いてくれた。
「ふふふ。じぃちゃんありがとぉ」
