諒side
「ほらゆな、こぼしてる。」
「ぇ?」
「こんなにこぼしてよく食べれるな」
「あ。…だって気づかなかったんだもん」
ゆなは、本当にボーッとしてる。仕事とかしてる時はしっかりしてて、あ、この子凄くキッチリしてて考えられる子なんだな、って思ったんだけど。
「ん〜〜〜っ美味しい♡」
しかもこんな細い見た目で大食いときた。黙ってれば美人で細くてクール系でも狙えそうな見た目してる。
でも喋ると周りの空気がふわふわするような天然で可愛い系だから急に皆が驚くような事を言ったり、したりするんだよな。
「どんだけ食ったら気が済むんだよ」
「ん〜あとこれとこれと…」
そう言ってゆなが指したのはハンバーグ。
「いやいやちょっと待って。今パンケーキ食べてるよな?まだご飯系食べんの?」
「?うん、だって、甘いもの食べたら濃いものが食べたくなっちゃうでしょ?♡」
はあ
「デブ」
「うわ!ひどい!気にしてることを〜!」
「黙れ食いながら気にしてるとか言っても説得力ねぇよ」
「ひどーいこれがモテてるとか怖い」
「あれ、ゆな!」
「え?」
「なに?諒とデート?(笑)」
「千智〜!♡」
こいつは矢本 千智(ヤモト チサト)。俺らと大学が一緒で仲良いんだけど俺から見ると美人だけどある意味怖い奴。
「ゆな、今日も可愛い♡それ新しい服なの?似合いすぎ可愛い抱き締めていい?」
「千智、褒めすぎだよ〜!もうぎゅーしてるし!」
…そう、こいつの怖い所はゆなの事を溺愛してるところ。
「諒にいじめられてなかった?大丈夫?」
「?大丈夫だよ〜諒はそんなことしないよ〜(笑)」
「ほんと?」
「うん、ほんと!」
「…あ、あたし今から待ち合わせなんだった。じゃあね!楽しんでね!あ。…諒、ゆなに変なことしないでよね」
「分かってるよ」
女って怖え。ゆなみたいなぽやーっとした子ばっかりじゃないのがよく分かるわ。千智に会うと。
「…あ、外に真昼と伊弦がいる〜」
また友達を見つけたゆなが眠たそうな声で話す先を見ると、また知り合いを見つけた。
そんな眠たそうなゆなはハンバーグもすでに完食してる。
「伊弦と真昼のとこ行く?」
「…んう、行く〜…」
「じゃあゆな、会計すぐ済ませるから外で待ってて」
「はぁい…」