「じゃーねー」
「ばいばーい!」
皆が帰って行くのを、ちょっと眺めてから、ふと隣を見ると
「何してんの?帰らないわけ?」
「い、伊弦こそなにしてんの…?」
「別に。真昼一人で帰れんのかと思ってさ。送ってあげようかなって」
え?!なにこの展開ありですか?!い、伊弦が送ってくれるなんて…!とか言いたいけど伊弦は女の子は誰でも送るタイプなんだよねぇ…
「…ありがと」
はぁ…
傘で顔見えないからいっか。でも悲しいよね。あ、てか今日バイトかー。塾講師なんだけど。伊弦もほかのとこの塾講師なんだよね。
「そういえば伊弦のとこのバイト先の子は受験どうだった?」
「あー、みんな受かってたよ。私立だし」
「そーなんだ。私のとこの子もみんな受かってた。嬉しいよね。自分の教えてる子が受かってたら」
「そーだな」
2人だと、なんとなくテンション変わるなぁ。
伊弦はどう思ってるんだろ…
「…着いた」
「あれ?バイト先…あっ、ありがとう!こっちに行かないといけなかったの忘れてた…」
「昨日真昼言ってたから。」
何で覚えててくれたの?…伊弦、ほんとわかんない。
ふっ
「変な顔」
「なっ、そんなことないですー」
「じゃあ、また明日」
「うん、また明日」
いつもこうやって送ってくれる伊弦に期待してしまう。そんな私の雨の一日。