「じゃ、俺今日バイトだから」

「うん、わたしもサークルあるから、ばいばい」

ゆなはダンスサークルに入ってる。あのフワフワからは想像できないけど、昔からしていたらしくダンスが凄く上手い。こういうギャップも好きなんだよな。





バイトはしゃぶしゃぶのチェーン店で働いてる。まあまあ女性客も多いかな、バイトの女の子も。

「お待たせしました。こちら〜のコースで御座います。こちらのお肉の方がロース、こちらがもも肉になります。ごゆっくりどうぞ」

『ありがとうございます〜』

『ちょっと、さっきの店員さんイケメン!!!爽やかイケメン〜♡』

『えっ思ってた!!カッコいいよね〜!』

面倒くさい。最近いちいちそうやって見られるのが面倒なんだよな〜
最近しゃぶしゃぶ店飽きたしどーしよーかなって思ってるとこ。



「ありがとうございました、またお越し下さいませ」

「吉次くん上がりで」

「はい」

疲れた。無駄に笑顔振り撒くの疲れる。
今日まぁまぁ可愛い子居たけど。

「吉次さん、あの、一緒に帰りませんか?」

「は?」

店の外に出るとバイトの女子高生が待ってた。

「…吉次さんって、彼女います?」

「いますよ?あ、俺そこのコンビニで曲がるんでそこでバイバイだね?」

わざとらしい笑顔をバイトでもないのに貼り付けなければいけないこの面倒くささが何とも言えねぇ

にこ

「…彼女さんどれくらい可愛いですか?」

「うーん、可愛すぎて俺には勿体ないくらい、かな?」



「あ、そうなんですね…残念です」

引っ掛かるわけねぇだろ、JK強いな

「…あ、コンビニ着いたね、またバイトでね」

「はい、…お疲れ様です」

ヒラヒラ

あーー面倒くせぇチラチラこっち見られても送るわけないから早く帰れ

「…あー無理、ゆなに電話しよ」

prrrrr…

《はーい?》

はぁ…

電話口でもふんわりしたその声。やっぱりゆなじゃないと駄目だ。

「ごめん、かけたかっただけ。ちゃんと家帰れてる?」

《うん、大丈夫お家だよ〜》

「そっか」

《…どしたの?…ふふ、元気になるおまじない教えてあげようか?》

あぁ、また意味わからないこと言ってるけどそういうとこがまた可愛い。

「いいよもう家着いたし(笑)じゃあまた明日。おやすみ」

《おやすみ〜》



ふわふわな彼女で嫌なことはすぐに和らげるのが俺の一日。