「まだいるかな…」
走って外に向かうと、エントランスのところに2人の後ろ姿が見えて声を掛けようとした、その時――
「おい、てめぇ」
2人の背中に隠れて見えていなかったもう一人の人物の姿が、視界に飛び込んできた。
「誰?はこっちのセリフなんだけど」
「ほんとにね」
…ん?
「2人そろって茉優の周りうろちょろしやがって…」
「うろちょろしてるのそっちだろ」
胸倉を掴まれた手を振り払って、そーちゃんが逆に男を壁際に追い詰めた。
ドン、と重い音が耳に届く。
わー…壁ドーン…
「あのさ、あんたのしてること、犯罪だって気付いてる?」
「あぁ?」
激高した男は無理やりそーちゃんにつかみかかり、こぶしを振り上げる。
「はーい、ストップ」
そんな危機迫る場面に響いたのは、不釣り合いなのが逆に怖いほどの音くんのゆっくりとした声だった。
「この録音したやつ、おにーさんの会社に送っちゃうから。東証商事、本郷カナメさん?」
え…?
掲げた携帯を片手に男に歩み寄る音くんの表情は、こちらからは見えない。
「それが嫌だったら…二度と近づくんじゃねえぞ」
次の瞬間、固まる私の耳に届いたその声は、私の知っている彼のものとは到底かけ離れたものだった。
走って外に向かうと、エントランスのところに2人の後ろ姿が見えて声を掛けようとした、その時――
「おい、てめぇ」
2人の背中に隠れて見えていなかったもう一人の人物の姿が、視界に飛び込んできた。
「誰?はこっちのセリフなんだけど」
「ほんとにね」
…ん?
「2人そろって茉優の周りうろちょろしやがって…」
「うろちょろしてるのそっちだろ」
胸倉を掴まれた手を振り払って、そーちゃんが逆に男を壁際に追い詰めた。
ドン、と重い音が耳に届く。
わー…壁ドーン…
「あのさ、あんたのしてること、犯罪だって気付いてる?」
「あぁ?」
激高した男は無理やりそーちゃんにつかみかかり、こぶしを振り上げる。
「はーい、ストップ」
そんな危機迫る場面に響いたのは、不釣り合いなのが逆に怖いほどの音くんのゆっくりとした声だった。
「この録音したやつ、おにーさんの会社に送っちゃうから。東証商事、本郷カナメさん?」
え…?
掲げた携帯を片手に男に歩み寄る音くんの表情は、こちらからは見えない。
「それが嫌だったら…二度と近づくんじゃねえぞ」
次の瞬間、固まる私の耳に届いたその声は、私の知っている彼のものとは到底かけ離れたものだった。

