私以外の人がどんどん当たっていく。



『これ、私最後に残るやつ?』


独り言を言っている暇はない。
とりあえず、ボールを取って外野に渡そう。



外野に渡したはいいものの、外野の子達はあまり当てれてなかった。



もう、自分で当てるしかないか。


「えっ、由奈ちゃん凄っ!」


「え、いつも静かだからなんか意外」



そんな周りの声を無視して、とりあえず当てる。



そんなことをしていると、あっという間に試合は終わっていた。



結果は私達のチームが勝った。



「由奈ちゃん凄がったよ!」



コートから出て歩いていた、、色々な人達に言われた言葉。



正直褒められて悪い気はしなかった。



「おい、由奈!

なんか凄い意外だった。
運動出来るんだな」



『ただボール取って当てただけだよ』



本当は、運動が好きだった。
中学の頃は運動部に入っていたし、毎日体を動かしていた。



だけど、目立たないようにすると自然と体を動かさないようになっていっただけ。