「おはよ〜」


相変わらず今日もうるさい学校だ。
こんな所早く卒業したい。


「あっ、由奈ちゃんだ。
いつ見ても美人だよね〜」



その羨ましそうな目も、



「由奈ちゃんが彼女だったら、最高だろ。」


好機の視線も私にとってはただの迷惑。なんの得にもならない。



「でも、毎日静かだよね。」



「ちょっと怖そう。」



人より特別だからって、羨ましがられて勝手に色々な想像をされて、勝手に期待を持たれる。


それって疲れるでしょ?


人は人それぞれの個性がある。
そんな事を誰かが言っていた。



それなら、私の個性はなんですか?


顔が整ってる?それとも静か?
個性なんて誰にもわかんないでしょ。



本当の私を知らないのに、勝手なこと言わないでほしい。



『はぁー。』



今日も実に憂鬱だ。


そんな事考えてる間に教室に到着した私は、いつも通り本を読む。



携帯をいじるわけでもなく、ただひたすら本を読む。



本は好きだ、色々なことが知れるから。