それからは、新田洋は私に近づいては来なかった。


新田洋は友達と沢山話すってわけじゃないけど、私よりは話してる。


今まで順調に進んでいた私達のグループは、最後のクイズで躓いてしまった。


最後の問題は、数学らしい。
クイズじゃなくて、数学の問題とか先生達はゴールさせる気がないのかな。


しかもこれ結構難しい問題。


「杉田さん頭いいから、この問題解けそうじゃない?」


皆の輪から外れていた私に聞こえてきた声。


まぁ、解けないこともないけど。


「由奈ちゃん、お願いできる?」


そんな事言われたら、解かないわけにはいかないよね。



『ちょっとだけ待ってて。』


用意されていたボードに式を書き込んでいく。


書いてる途中、ボードじゃなくて紙でいいんじゃない?っと思ったのはあえて考えないようにする。


多分皆で解いていくためだとは思うけど。


そうこうしてるうちに、出てきた答え。あんまり自信はないけど、っと言いながらペンを置いた。



「先生ー!
答えはこれです!」


朝日旬が先生に見えるようにボードを指さす。