素直になれない

「……あ、えと」


どう言ったらいいんだろう?お互いが誤解してて、それで離れる羽目になって。


でも、もう何年も前の話だよ。


日向先生にとっても、私にとっても過去の事だ。

「……さっき、リンは過去の恋を清算したかったって言ったよな」


「う、ん」


「リンにとっては、俺との事はすっかり過去の事で終わりにしたいってことなんだな?」


念を押されて戸惑う。


日向先生はなにが言いたいんだろう。


「忘れて欲しいんだよな、俺にも」


えっ?


「過去の恋として忘れて前に進んで欲しいんだよな?」


ジッと見つめられる。


「……日向先生?」


「……無理だな」


「は?」


言葉の意味が理解できずに、間抜けな声が漏れた。


「無理だって言ったの。リンの事を忘れて他の女のこと好きになれって言ってんだろう?そんなのは無理だ」


「日向先生?一体なにを……」


私の問いかけに彼はゆっくりと両手を伸ばし私の頬に触れた。


両頬に熱がこもる。