五日間の期末考査が終わり、

やっとテスト勉強から解放された

私たち、SPRINGIRLS!(スプリンガールズ)は

音楽室へと集まり、久々の音合わせをしていた。


メンバーは四人。

ドラムの美希、
キーボード兼作曲の華漣(カレン)、
ベースの奈緒、
そしてギター兼作詞の私、翼

は一年の頃から集まって

みんなが好きなバンドの曲を演奏したり、

オリジナルの曲を作ったりして活動していた。


「音合わせも完璧だし、ここら辺で一旦休もーぜ」


奈緒の一言で一旦休憩に入った私たちはのんびりと会話を楽しんでいた。

「いつもテスト期間の後になると走りがちになるドラムも今日は平気だったねぇ」

「"いつも"じゃなくて"たまに"だもん」

華漣の一言に美希は口をとがらせた。

「まぁまぁ、今日は快調だったってことでいいじゃない」

とここで私が美希をフォローするのがお決まりとなっていた。


「そういや華漣、この前言ってた新曲のデモってどうなったんだよ」

「え! また新曲叩けるの?」

さっきまでテンション低かった美希が奈緒の一言で一気に生気を取り戻していた。

「ちゃんと完成したよ。はいこれ」


渡されたデモテープを聞いてみると、私たちらしい爽快感のある曲に仕上がっていた。

「なかなか良かったよ。じゃあまた練習しないとだね!」

と私が言うと華漣の纏(マト)う空気が変わった気がした。

「その前に! ねぇ翼、頼んでた作詞、どうなったの?」

華漣のイタイ視線に耐えられなくなった私は明後日のほうを見ることにした。

「こら! 目をそらすんじゃない!」


こんな日常がこれからも続きますように。