濱side


え、漫画家ってあれだよな



あれをあれしてあれするあれだよな


やばい、ちょっとしたパニックになってる



落ち着け俺


深呼吸深呼吸


スー…ハー…


スー…ハー…



よし、ちょっと落ち着いて来た



あの花屋で働いている子が漫画家?



あの、すごいコロコロと性格が変わる人が?



漫画家?








すごいな



じゃなくて!



ネタって、つまりストーリーを作るための素材だったよな



俺が?



俺、顔以外いいところなんてなにもないけど?


こんなんでいいの?



女たらしだし、勇気なんて出て来やしないし、運動できそうでできないし、ゲスなところならいっぱい持ってるけど、綺麗なところはなに1つ持ってないけどいいの?




それ以前になんで俺?



いや、嬉しいんだけど



だって俺のこと知ってもらえるチャンスじゃん!


イコール友達になれる!



俺は勢いよく後ろを振り返り彼女にわかったいいよと告げた