光が消えると
そこには喪服姿の先生と陸の姿があった。


火葬場から出る煙を見つめながら大きな広場に二人で佇んでいる。


「ねぇ、陸
私があの時あなたじゃなく彼を選んだのは間違いじゃなかったわよね」

煙を見ながら先生が言うと、うつ向いた陸が口を開いた。

『あぁ…兄さんは幸せなまま逝ったんだ。』少し声が掠れている。

「そうよね…絶対そうだよね」
『何も間違いじゃなかったよ』
まだ下を向いてる陸。

「陸…目を見て言ってよ…」泣きながら先生は言った。

『なんだよ!オレにどうしてほしいんだよ!』
強い口調で言う陸は
とても珍しかった。