そこに、見覚えのある人影が…


「あ…」

『あ…』

思わず声が重なる。


そこにいたのは
倉持先生だった…

「せ…先生」
『こんばんは』

私とは、うってちがって…なんの動揺もない先生。



なんで、そんなに
落ち着いてるの
なんで、先生が
ここにいるの

聞きたい事が
たくさんあるのに
言葉にできない。



「さ…さようなら」


私は 先生とは反対の方向へ

ただ ただ
逃げるように走った…
多分 呼び止める声がしたんだろうけど…

多分 話を聞きたい自分がいたんだろうけど…私は走った

…私は逃げたんだ。