自分で選曲したはずの歌なのに、胸が切なくなりすぎちゃって…
やばいょ…
超苦しぃょ…陸。

空元気もここまでって感じで 目頭が熱くなってきた。

もぅ 曲の出だしは始まってるのに…
思うように声がでない……

「…ぁ…」

それに すぐ気付いた紗香が 私の手を握った。

『どーしたぁ岬ぃ』
涙で 上手く紗香が見れないし、

涙で 上手く声がでないし、私ってば…

最悪だなぁ…。

「陸が…ね…り…く」
『うん、うん』
まるで 小さい子供をあやすように紗香が相づちをうっている。

ゆっくり深呼吸して、涙が溢れないように上を向いてみた。

スッー、 ハー。


少し落ち着いてから、放課後のギャル二人組から聞こえた話を紗香に話をした。

紗香は 私の手を握りしめたまま何も言わずに微笑んだ。
その、握られた私の手には 陸が 付き合って一ヶ月記念にペアで買ってくれた指輪がついている。

指輪を見つめる私に、紗香が優しい声で、一言、こういった。

『ね。』

短いけど なんだか

ふ。
と…肩の力が抜けた気がした。

解決には なってないのは頭では分かるけど友達って やっぱしいいなぁ。