クラスの男子と話してた治樹は先輩の姿を確認すると、嘘の笑顔を張り付けてドアに向かった。

面倒くさいことに嘘の笑顔を張り付けて対応するの治樹の昔からのくせ。

さっきまでは本当の笑顔だったけどね。

この距離からは何を話しているのか聞こえないけど、少し話すと2人でどこかに行ってしまった。

どこかに行くと戻ってくるのに時間がかかるから、今が昼休み中で良かった。


「美沙、いいの?」

ドアの方を見ていたら、前の席から橘 千紘(たちばなちひろ)が聞いてきた。

千紘とは中学3年生の時に知り合った。

今では一番の親友なの。