体育館に着いてからも治樹への視線はずっと感じていた。

「(気にしてても仕方ない…よね)」

そう思い、式に集中した。

式は順調に進んでいき、

「新入生代表、石井 美沙」


「はい」

名前を呼ばれステージの上に向かった。

「春の風が感じられるようになり、………







………新入生代表、石井 美沙」

あいさつが終えステージを降り、治樹の方を見ると笑顔でこっちを見ていてくれた。

それに応えるように私も微笑んでから椅子に座った。