「コートくらい、着ろよ。
 風邪ひくだろ」


甘く、低い声で
ささやく。
もはや抵抗すら、できない。


『・・うん』

ライオンは、少しわたしを離し、
それからにっこりほほ笑んで
また、さっきみたいにわたしの
手を自分のコートのポッケに入れて
歩き始めた。


どうして。
どうしてこんなに
ドキドキするの・・っ