「それだよ!それが面白いとこだと思うよ。

男子寮の水周り。御札と御札の貼ってあった形跡がある。

とくに一階の洗面所には御札がたくさん貼ってあった跡があるんだ。

それがついに、最後の一枚の御札が数ヶ月前、剥がれていたんだ。」




「それ、ほんとですか?

そんなことほんとにあるんですか。」




思わず怪訝な顔をしてしまう。




「女子寮にも女子生徒の霊が出たんだろ?

そいつは、昔寮で自殺した子だ。

首を吊ったらしい。今の寮は釣れる場所はないけどな。」



ふふふっ、と笑う男の先輩。

少し引き気味にたずねる。



「でも、それかなり前の話ですよね?

私が見たのは今の制服でしたよ?

流石にデザインは変わってるんじゃ...。」



「ふふふ、いいとこに目をつけたな。

この制服のデザインはかなり最近だ。

女子はセーラーだが、男子はブレザーだ。

男子だけ新しいデザインで不思議に思わなかったのか?」




ううん、思わなかったという意味を込めて首をふる。


確かに私たちの学校の制服は地味である。

確かに質は良くお上品なデザインだと一部の大人からは定評がある。

しかし、地味すぎて生徒からは不評をきわめている。