夏の水道水は、ひんやりとしていてとても気持ちがよかった。




そう言えば、もう痛くないな。




既に血が止まっていたらしい、傷口をじっと見つめ、ふと顔を上げると、近くの柱に寄りかかって待ってくれている一ノ瀬くんと目が合った。




思わず、少し茶色がかった瞳に目を奪われる。




一ノ瀬くんは、彼の無表情には似合わない澄んだ目をしていた。