「ううん。そんなの良くないよ!カフェは結衣とも一緒に行きたい。それにせっかく言ってくれたのにまた片付けを任せちゃうのは失礼だよ。」
そこまで言うと、美里はにっこりと笑う。
ふざけんな。
俺は心の中でつぶやくと、倉庫の方へ歩き出した。
俺は女子が嫌いだ。嘘に嘘を塗り重ねて一体何がしたいんだよ。
俺がいなければ、断っていたのか?
またあいつに押し付けてたんだろ?
俺の姿を初めて目に入れたかのように、美里は声を上げる。
「湊!練習終わったの?」
「お前…」
「今日に帰ろう!」
「は…?」
ふいに彼女が俺の前に立ち誰にも聞こえないようわざと囁く。
「陽斗に会いに行くよ」
