ドサッ。 俺はリュックから取り出した教科書で軽く頭を叩いた。 「いてぇ!」 「手加減したぞ。つーかお前な。恋する暇あったら野球しろ。レギュラー入りたいんだろ?」 大事なことを思い出したみたいにあわあわする乙哉を見て、和樹が笑った。 どうやら3ヶ月前の、俺は1年生でもレギュラーになってみせる、という乙哉の宣言を思い出したようだ。