今もまだ心の中ははっきりとは分からない。
でも前に進みたい。
一ノ瀬くんは変われると言った。
それが本当なら、私は彼の言った通り変わりたいと思う。
言いたいことが言える自分に。
そして、勇気を出せる自分に。
「あのさ…。」
「うん」
「私1人じゃあの部屋掃除できないや」
「うん」
「だからね…えっと…明日から。入っても…。…掃除頼んでもいい?」
もちろん私の部屋なんか6畳くらいの小さな部屋だし、掃除は自分でやってきた。できないことは無いし、むしろいつも綺麗にしておかないと落ち着かない性格だ。
それは千夏さんもちゃんと知ってる。
でも千夏さんはいつも通りニコッと微笑むと、
「わかったわ。明日から掃除機持って行ってあげる」
体がふわっと軽くなった気がした。
