夕飯を食べるためにリビングへ降りた私は、円形のダイニングテーブルに新聞を広げて読んでいるお父さんを見つけた。



お父さんの横はお母さんと、弟の拓と決まっているので私は向かい側の椅子を引いた。





「それ夕刊?」





「いや、今朝の」





「あれ?朝読んでなかった?」





「もう1回読みたくなった」





なんだそりゃ。





私が呆れながら席につくと、千夏さんがニコニコしながら変な人ね、と食卓にお皿を置いた。




また台所へ戻っていく千夏さんを見て、私はハッとして席を立つ。そんな私の行動に気づいた彼女は、微笑んで「あとひと皿しかないから、手伝わなくても大丈夫よ」と言った。