「他のやつは何してんだよ」
え、……
一瞬、彼がなんのことを言ってるのか分からなかった。
でもだんだん、この片付けのことだと理解してきて、私の中で様々な言い訳が交差した。
あれは、6月の半ばくらいだったと思う。皆で片付けを始めていたら、1人が自販機に行きたいと言い出した。よほど喉が渇いていたのか彼女たちは口々に賛同し、私に片付けを頼んだ。
大丈夫だよ、と私は返事をしてその日は片付けたけれど、それからずっと彼女たちは、何かしら理由を付けて私に頼むようになった。
きっと彼女たちは私が一人で片付けている間、いつも自販機の前で女子会を開いている。
でもほんとのことを言うと、一ノ瀬くんはみんなの事を嫌いになるかもしれない。
そんな事したら、そんなのを知られたら、私がみんなに嫌われてしまう。
駄目だ。
「そんなの…一ノ瀬くんには関係ない…」
思わず、口から言葉がこぼれ落ちていた。
