放課後、桜に引っ張られて図書室までの道を歩く。


「ひなちゃん、大人気だね~」

「そうみたいだね。まあ、顔も整ってるし。」

ギイと音を響かせて図書室に入ると、貸出窓口のところにあの徐の姿を見つけた。


まるでそこ一面にふわっと桜が舞っているかのような感覚。


伏せられたまつげはとても長くてまっすぐで、寝顔だと俺らと同い年といわれてもなんらおかしくはない。



「ひなちゃーん!おきて!!!」





「んっ・・・?」




目を覚まし、体を起こして、辺りを見回す。



ぼっと顔が真っ赤に染まったかと思うと、濡れた瞳で俺と桜を見つめる。


「ひ、秘密にしてね・・・?」




胸がきゅん、となった。