「みなさんはじめまして、青木日奈子です。」 「実習生なので、佐藤先生のかわりに、一学期いっぱいみなさんの古典を担当させていただきます」 全体的にパステルカラーでまとめられた服装。 どことなく色素の薄さを感じさせる肩までのこげ茶の髪。 白い肌にぽっと染まった頬と唇がよく映えていて、かわいさと綺麗さがこんなにも合わさった人はいるのだろうかという疑問さえ感じる。 「よろしくお願いしますね?」 ふふっとほほ笑むその声に俺は聞き覚えがあった。