しかし、ドキドキして訊いたのに、彼の答えはあまりにもあっさりしていた。


「...覚えてない。そんな事あったか?」


ピシッ。


私の顔は、きっとそうして凍りついただろう。2人も何かを察したらしい。


「翔、とりあえず部屋行こうか」


「それがいい。これ以上ここにいたらお前死ぬぞ」


2人に連れられ、翔くんはリビングをヨロヨロと出て行く。


残された私は...ただただ呆然としていた。


覚えて...ない?


あんな事しておきながら?


朦朧としてあんな事したわけ?


私はあんなにドキドキしたのに。


キリがないくらい、どんどん不満が溢れ出てくる。


ちょっとでも期待した私がバカみたい。


私のドキドキ、返してよ...