翔くんの腕は力強くて、抱き締められるとホッとするような温かさがある。


...か、翔くん...どう、しちゃったの...?


ドキドキと同時に困惑してしまう。だって彼は私にこんな事をするキャラじゃない。


「はぁ...なつ、め...」


翔くんの顔は赤く染まっている。そのトロンとした瞳は潤んでいて、あっという間に引き込まれてしまった。


「あの...翔、くん...」


どうしちゃったの...?


そう訊こうとしたんだけど、それよりも前に彼が身を預けてきた。


「えっ?ちょっ...」


そのまま彼は力を失い倒れ込む。とっさに頬に触れると彼は相当な熱だった。