翌朝、私は思いっきり寝坊した。深夜2時まで眠れなかったからだ。


「早く行かなきゃ!!」


朝食もろくに摂らず制服に身を包んで部屋を出る。お父さんは朝早くから仕事に出ている。お母さんは休みだからまだ夢の中だ。


ガチャッ


「おはよう!清々しい朝だね!」


玄関のドアを開けた途端、安藤さんがぬっと現れる。私は驚きのあまり声が出なかった。


「あの...どうやって家まで」


「あっはっは。俺の情報網を舐めるなよ?」


いや、「あっはっは」じゃないから!


もうただのストーカーだから!


「ほんと、許される事なら今すぐにでも警察に突き出したいです」


「あはは。ありがとう。君みたいな可愛い子と一緒になら行ってもいいかな」


...ダメだこりゃ。


安藤さんに何を言ってもムダだと悟って早々に諦める。それにしても朝から何の用なんだろう。