「ふぁあ~」


「面白い顔してるね」


帰りの車の中、私がデカい口を開けて大あくびをしていると陽希くんがいきなりペロペロキャンディーを口に突っ込んでくる。彼も翔くんに負けないドSだ。


翔くん...今、何考えてるんだろ。


翔くんは、まるで何事もなさそうに涼しい顔をしている。



私は気まずいままなのに、翔くんは何も思わないのかな...?



翔くんのそっけない態度に胸がキュッと痛む。やっぱり私ばっかり思いが強い気がした。


「翔さぁ、さっきから何黙ってるの?」


「...別にいいだろ」


大和くんが前を向いたまま翔くんの肩を指でつつく。翔くんはそれでも全く変わらない。


「翔ってバカだよね。いっつも素直だったら可愛げあるのに」


そんな陽希くんの言葉に翔くんは肩をピクッと反応させた。