あれ?ここは?

目の前にいるのは係長。

「どうした。こんなミスをするなんて、君らしくないじゃないか」

「すみません・・・」

いつもならありえない発注ミス。

「とりあえず、一緒に得意先に説明に行くぞ」

「わかりました」


「申し訳ございませんでした」

得意先の担当者に係長と二人で頭を下げた。

「いえ、こちらもいつもしない手書きのFAXで『7』と『1』が区別がつきにくい字でしたので、ご迷惑をかけてしまったようで」

「再度確認をとれば、このようなことはおきなかったことですので」

「それで残りのものの納期は?」

「今、確認を行っております。確認出来次第、至急ご連絡いたします」

「わかりました」


「そんなに落ち込むな」

外に出て、俯いたままの私の肩を係長が叩いてくる。

「誰でもミスはある。大事なのはそのあとのフォローだ。事情を説明し、そのあとにいかに迅速に対処するか。二度と同じミスをしないかだ」

「はい」

「では、帰ろう」

少し前を歩いていくその背中を見ながら、数歩あとをついて歩いた。