願う先にある想い

それから、美実の消息が経って2年が経ったある日、由理ちゃんは仕事場で知りあった男性と結婚する事になった。



それが、響ちゃんのお父さん゛桜戸゛さんである。



だけど、ご両親も私も普通に猛反対だった。



猛反対する事を由理ちゃんは分かっていた。



それでも由理ちゃんは私達の猛反対を押し切って、最終的にはご両親が折れてしまい許してしまった。



普通なら喜ぶ所なんだけど、心原家にとってはあまり良い事ではなかったから。




あれから由理ちゃんは今ではもう美実の事をご両親に説得するような事はしなくなった。



消えた存在として何も言わなくなったのだった。



だけど、消えた美実だけど由理ちゃんはいつも美実の事を気にしていた。



そして、その1年後に響ちゃんが生まれた。



響ちゃんの事をご両親はとても喜んでいたのだった。



だけど、私は少しだけ心配していた。



この時、幸せな日々が少しずつ少しずつ蝕むように潜んでいたのだった。



それは私の心配事と的中していたかのように。



それは、響ちゃんが3歳になった時の事、由理ちゃんと私と響ちゃんを連れて、ご両親の家へと向かうことになった。



『あれ?いないのかな?』



その日、なぜかインターホンを出なかった。



『出かけているかもしんないし、中で待ってましょう』



『そうね』



そう言って、玄関の鍵を開け中に入った。



やはり出かけているのか、中はシーンとしていた。



リビングに入り、ご両親を待っている間にお茶の準備をし始める由理ちゃんがふとあることを思い出す。



『あ、そうだ。この前来た時、お母さん達の部屋に忘れ物しちゃったから、お母さんに電話したら見つけてくれたから部屋に置いとくって言ってたから、忘れる前に入れておかなきゃ』



『じゃあ、私持ってくるよ。
どのあたりにあるって言ってた?』



『いいの?じゃあ持ってきてくれる?』



『うん』



私はその時、普通に返事をし普通にご両親の部屋へと向かった。



そして、悲劇はもう既に起きた後だったという事に知らず。




(あれ、少しドアが開いてる)



なぜかご両親の部屋の扉がほんの少しだけ開いてた事に疑問を感じた。



いつもはピタっと閉まっているはずなのに、なぜか開いてた。



『?』



同時に扉の前に点々と赤いものが落ちていた。



床が白ぽいフローリングだったのですぐに気付いたけど、特に気にはならなかった。



私は疑問を持ちながらもゆっくりとドアノブを開けたのだった。



『えっ…っ!?…うあっ…いっ…嘘…っ』



その光景に酷く驚愕し、あまりにも残酷な光景に声が出なかった。



『由理ちゃん…っ』