由理ちゃんは美実の部屋に訪れていた。
出る前と何も変わらない部屋と美実の姿。
『美実』
由理ちゃんの呼ぶ声に何も反応しない美実。
由理ちゃんもこんな風にずっと見ないふり無視をしていた。
由理ちゃんはそっと近くに座りもう一度声をかけたそうだ。
『なんの用?』
ようやく声を出した美実の声はどこか掠れて低い声だったらしい。
まるで憎しみが募ったような暗い声。
『これからどうするのかと思って。受験も就職活動もしてないって聞いたから』
『あんたに関係ないでしょ』
家族だから気にするのは当たり前だから、こんな言い方されたら普通なら怒ったりするのが普通なのだが、この家族では仕方ない事だと言える。
『今更心配とかうざいんだけど、散々無視しておいて何様なんだよ』
『……そうだよね、その通りなんだよね』
きっと、こんなこと言って今更どうにかなるなんて由理ちゃん自身も思っていないのだろう。
それでも、今更かもしれない。
もしかしたら、キレるかもしれない。
それでも、変われるものがあれば信じたかったんだと思う。
ただ、由理ちゃんはずっと信じていたかったんだと思う。
いつか元に戻る日が来ると、そう信じたかったんだって。
ただ由理ちゃんは、美実に対してしてしまった事をずっと悔やんでてどうにかして、昔のようにならなくていい、ただまた話せるような関係になりたかっただけなのかもしれない。
ただ、それだけの思いだったのに…。
『あのね、美実。こんな事、今更言ったってどうしようもないかもしれない。でもね、ここあの家で過ごすようになって思ったんだけど、この家は普通じゃなかったんだって気付いたの。きっと、ここあみたいな家庭が普通なんだって。そう、昔のような』
『………』
『私がこの家に戻ってこなかったのは、家を出たかったのは、見たくなかったのよ、これ以上。美実とお母さん達の関係性を』
『だから逃げたんだ、あたしを置いて』
『そういう事になるわね』
確かに逃げていたんだと思う、見ないふりをして無視して、誰しもが美実をあざ笑うかのように。
『私ね、あなたを助けた所で何も変わらないと思ってた。だから、ずっと見ないふり無視を続けたの。
その方が良いって仕方ないって思ってたの。でも、それじゃあ結局は悪い方しか進んでないって、今回美実達の関係性を見て気付いたの、気付いたのよ』
『………』
『私がこの家を出たのは、見たくないというのもあるけど、お母さん達が美実に厳しい事をし始めたのは、私の原因でもあるから。だから、私がこの家から距離を置けば、もしかしたら良くなるんじゃないかって、だから一度も帰らなかった理由もある。今回本当は帰るべきではないと思ってたの、でもこの機を逃したら多分帰ってこないと思ったの。でも、むしろ酷くなってたのね、干渉しなくなったという感じで』
『ええ、そうよ。恐ろしい程に何もかわんないのよ』
『本当、浅はかだったわ』
由理ちゃんは、いつも美実を気にしていたけど、変わらないと分かってたから手助けせず見ぬふりをして無視していたけど、本心では美実の事を思っていたのは事実で、確かに浅はかだけど優しいそれが由理ちゃんだった。
出る前と何も変わらない部屋と美実の姿。
『美実』
由理ちゃんの呼ぶ声に何も反応しない美実。
由理ちゃんもこんな風にずっと見ないふり無視をしていた。
由理ちゃんはそっと近くに座りもう一度声をかけたそうだ。
『なんの用?』
ようやく声を出した美実の声はどこか掠れて低い声だったらしい。
まるで憎しみが募ったような暗い声。
『これからどうするのかと思って。受験も就職活動もしてないって聞いたから』
『あんたに関係ないでしょ』
家族だから気にするのは当たり前だから、こんな言い方されたら普通なら怒ったりするのが普通なのだが、この家族では仕方ない事だと言える。
『今更心配とかうざいんだけど、散々無視しておいて何様なんだよ』
『……そうだよね、その通りなんだよね』
きっと、こんなこと言って今更どうにかなるなんて由理ちゃん自身も思っていないのだろう。
それでも、今更かもしれない。
もしかしたら、キレるかもしれない。
それでも、変われるものがあれば信じたかったんだと思う。
ただ、由理ちゃんはずっと信じていたかったんだと思う。
いつか元に戻る日が来ると、そう信じたかったんだって。
ただ由理ちゃんは、美実に対してしてしまった事をずっと悔やんでてどうにかして、昔のようにならなくていい、ただまた話せるような関係になりたかっただけなのかもしれない。
ただ、それだけの思いだったのに…。
『あのね、美実。こんな事、今更言ったってどうしようもないかもしれない。でもね、ここあの家で過ごすようになって思ったんだけど、この家は普通じゃなかったんだって気付いたの。きっと、ここあみたいな家庭が普通なんだって。そう、昔のような』
『………』
『私がこの家に戻ってこなかったのは、家を出たかったのは、見たくなかったのよ、これ以上。美実とお母さん達の関係性を』
『だから逃げたんだ、あたしを置いて』
『そういう事になるわね』
確かに逃げていたんだと思う、見ないふりをして無視して、誰しもが美実をあざ笑うかのように。
『私ね、あなたを助けた所で何も変わらないと思ってた。だから、ずっと見ないふり無視を続けたの。
その方が良いって仕方ないって思ってたの。でも、それじゃあ結局は悪い方しか進んでないって、今回美実達の関係性を見て気付いたの、気付いたのよ』
『………』
『私がこの家を出たのは、見たくないというのもあるけど、お母さん達が美実に厳しい事をし始めたのは、私の原因でもあるから。だから、私がこの家から距離を置けば、もしかしたら良くなるんじゃないかって、だから一度も帰らなかった理由もある。今回本当は帰るべきではないと思ってたの、でもこの機を逃したら多分帰ってこないと思ったの。でも、むしろ酷くなってたのね、干渉しなくなったという感じで』
『ええ、そうよ。恐ろしい程に何もかわんないのよ』
『本当、浅はかだったわ』
由理ちゃんは、いつも美実を気にしていたけど、変わらないと分かってたから手助けせず見ぬふりをして無視していたけど、本心では美実の事を思っていたのは事実で、確かに浅はかだけど優しいそれが由理ちゃんだった。


